2007/09/05

ポスト・ヨガ! ジャイロトニック(R)・ブーム

         高橋 直子

<記事要約>

アーティストの間での爆発的人気の後、「ジャイロトニック(R)」が、一般市民の間でもブームになっている。

ヨガ、太極拳、クラッシクバレー、水泳をベースにした新しいボディーワークに人々は魅了されている。その独特の円を描くような動きと呼吸法は、専用のマシーンによって補助される。

ルーマニア人、Juliu Horvath(ジュリオ・ホバス)氏によって70年代の終わりに開発され、1999年に、元バレリーナのリタ・レーニャ氏によって、ブラジルに紹介されたが、最近になってようやく頭をもたげ始めた。現在、あらゆる職業の人が参加できる、新しい形のボディーワークとして注目されている。

2007726日グローボ紙  http://www.globo.com/ 


 

<解説>

ブラジル人は、美しく鍛えられた身体をめざし、男女共に様々なエクササイズを捜し求める人種といってもいいだろう。鍛えられた身体を披露する場である、ビーチの存在も大きい。アカデミー・ジムはいたるところにあり、イパネマ、コパカバーナなどの地区では、スポーツ・ウェアを着てジムに行くのが、中流階級のステイタスのような雰囲気さえある。ヨガ、ピラティスなど、世界的流行にはいつも敏感で、ひとたび紹介されると爆発的なブームが沸き起こる。

ルーマニア人の元ダンサーによって、ニューヨークで独自に研究、開発されたジャイロトニック(R)は、元はダンサーのリハビリ用だった。しかし、様々なアクティブをベースとして取り入れることで、エクササイズ的な現在のスタイルを確立した。99年にブラジルに入ってきた当初も、ダンサーや俳優に注目されたのみだった。しかし、最近になって、無理のない筋肉ストレッチと呼吸法にとりつかれた一般人の間で、じわじわと人気が高まっている。

木、皮、ロープでできているトレーニング・マシーンは、一見、拷問道具のようだ。しかし、その外見とは裏腹に、なめらかな動きが身体をやさしくリードする。息を大きく吸って、吐きながら筋肉をストレッチさせる運動を、ゆっくりと繰り返す。縦横の単純な動きではなく、円を描くようななだらかな動きが特徴だ。無理なポーズはない。自分のリミットをほんの少し越えた距離での動きを繰り返す。身体が徐々に柔らかく、内から外へ開いていくような感覚に襲われる。ジャイロトニック(R)経験者が、一種のテラピー効果を求めるのもうなづける。吐き出した息と共に、身体に溜まっていた毒素まで排出されるようだ。




ブラジルにジャイロトニック(R)を持ち込んだリタ氏も、元バレリーナだ。NYでミュージカルの本番中に膝を痛め、リハビリにと勧められたのがきっかけだ。のめりこむのに時間は要しなかった。「まるでダンスをしているように身体が自由になっていく。そんな魅力に取り付かれたの」と、リタさんは言う。

NYから飛行機でトレーニング・マシーンを運んだ。「奇妙な物体をわざわざ持ってきて、何を始めるの?とみんな止めたわ。」と当時を振り返る。反応が冷たかったブラジル市場も、変えられると信じていたという。「私の身体がこんなに変化したんだもの。社会だって、同じこと。」


一度力を入れて押すが、次は身体を預けてマシーンに押される。その繰り返しで全体にバランスの取れた美しい身体を手に入れることができる。それは、ジムで鍛えたムキムキの筋肉質ではなく、自然にまかせた引き締められた身体だ。「身体を使う中で、身体を自由にし、自分を知り、新しい自分を発見する。」と、リタさんは魅力を語る。

リタさんのスタジオ http://www.gyrotonicbrasil.com